墓石について
“墓石”―読んで字の如く、お墓の石のことですが、日本のお墓と言えば石で出来たものがほとんどです。
一昔前、ステンレス製や陶磁器製の墓石がメディアで取り上げられたことがありましたが、日本人は「お墓は石で!」という気持ちが強く、ほとんど受け入れられなかったようです。
これには日本人の「石」に宿る霊力を信じる伝統が大きく関係しています。日本では八百万の神と言われるように、自然界のあらゆるものに霊が宿るという考えがありますが、その中でも特に石に宿る霊力は格別なものと考えられてきました。だからこそ、死者の魂の依り代となる墓石には「石」を使ってきたのでしょう。
お墓は亡くなった方を供養する場所であるとともに、残された人にとっては、心の整理をつける場所でもあり、喜びや悲しみの報告に手を合わせることが出来る場所です。
どこの国にも、必ずお墓を建てなければならないという法律はないにも関わらず、古くからたくさんのお墓が建てられてきたのは、そうした心の拠りどころとしての場所が求められていることに他なりません。
だからこそ、お墓も住宅と同じようにオーダーメイドで建てて、親から子、子から孫へと代々受け継ぐという選択肢があっても良いと思います。
オーダーメイドと言うと敷居が高いように感じるかもしれませんが、人生の締めくくりをご自身で、あるいはご家族で話し合って決めることには意味があります。
お墓を建てることを通して、ご自身の人生を振り返り、ご家族の想いを馳せることがいいお墓づくりの原点なのではないでしょうか。